現代R&Bにおけるゴスペル5選
現代R&Bとは、1970年代後半にそれまでのソウルミュージックと区別する為に、現代黒人音楽という意味のジャンル名、ブラック・コンテンポラリー、略してブラコンが登場した時期から現在までのR&Bを事を指します。ブラコンというジャンル名は、1990年代の初頭までは使われていましたが、それ以降は死語になり、単純にR&Bと呼ぶ様になりました。
まずは、1990年代にR&Bシンガーとして1枚だけアルバムを残した、圧倒的な歌唱力のシンガー、マイケル・スピークスのゴスペルからです。この曲はコンテンポラリー・ゴスペルです。
この曲は「ブラックミュージックの歴史(ヒップホップ誕生前)」のゴスペルの紹介している、コンテンポラリー・ゴスペルを作ったジョン・P・キーの曲です。聴き比べてみるのも良いかもしれませんね。
マイケル・スピークスはこの曲が収録されているアルバムの後に、ゴスペルシンガーに転向しました。
マイケル・スピークスは北部のミシガン州産まれです。
音源は1995年にマイケル・スピークスがジョン・P・キーの1991年の曲をカバーしたバージョンです。
マイケル・スピークス
次は、ヒップホップアーティストのゴスペルです。
ソルト・ン・ペパーは1985年にデビューし、当時、まだ女性が少なかったヒップホップシーンで、女性ラッパーの草分け的なヒップホップグループです。
この曲の凄いところは、カーク・フランクリン、サウンズ・オブ・ブラックネスといった、ゴスペル界の大物が参加しているところです。
ヒップホップとゴスペルの融合と言えば、そのカーク・フランクリンが作ったアーバン・コンテンポラリー・ゴスペルというゴスペルの音楽スタイルですが、ラップとゴスペルの融合は今でも新鮮に聴こえます。
この曲はアーバン・コンテンポラリー・ゴスペルですが、ゴスペル・ラップというジャンル名の方がしっくりきます。
ソルト・ン・ペパーは北部のニューヨーク出身です。
音源は1997年の曲です。
ソルト・ン・ペパー
次は、ビヨンセがいたデスティニーズ・チャイルドが歌った「アメイジング・グレイス」です。
「アメイジング・グレイス」は1779年にイギリス人の牧師、ジョン・ニュートンによって書かれた曲です。
この曲で、奴隷貿易が禁止されるきっかけになった事でも有名です。
デスティニーズ・チャイルドは斬新なアレンジで、アカペラで歌っています。
この曲はゴスペル・カルテットの音楽スタイルですが、斬新ですのでその枠に収まりません。
デスティニーズ・チャイルドはテキサス州ヒューストン出身です。
音源は1999年にデスティニーズ・チャイルドがジョン・ニュートンの1779年の曲をカバーしたバージョンです。
デスティニーズ・チャイルド
次は、その圧倒的な歌唱力で1990年代終盤から2000年代の前半まで、最強のデーヴァと呼ばれた、ケリー・プライスのマヘリア・ジャクソン風のゴスペルです。
この曲はゴスペル作曲家のアイラ・スタンプヒルが1950年に書いた曲です。
ケリー・プライスは北部のニューヨークのクイーンズ産まれです。
音源は2000年にケリー・プライスがアイラ・スタンプヒルの1950年の曲をカバーしたバージョンです。
ケリー・プライス
最後は、2000年の後半からケリー・プライスと入れ替わる形で、その圧倒的な歌唱力で、最強のディーヴァと呼ばれる、ジェニファー・ハドソンの、やはりマヘリア・ジャクソン風のゴスペルです。
この曲は1908年にH. Luttonによって書かれた賛美歌です。
ジェニファー・ハドソンは北部のイリノイ州シカゴ産まれです。
音源は2008年にジェニファー・ハドソンがH. Luttonの1908年の曲をカバーしたバージョンです。
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