現代R&Bにおけるジャズ歌唱5選

 現代R&Bとは、1970年代後半にそれまでのソウルミュージックと区別する為に、現代黒人音楽という意味のジャンル名、ブラック・コンテンポラリー、略してブラコンが登場した時期から現在までのR&Bを事を指します。ブラコンというジャンル名は、1990年代の初頭までは使われていましたが、それ以降は死語になり、単純にR&Bと呼ぶ様になりました。

  まずは、R&Bシンガーでもジャズ歌唱を得意とするヴァネッサ・ウィリアムスです。

 ヴァネッサ・ウィリアムは白人の血が入っていますので、このジャケットでは白人に見えますが、黒人です。

 この曲は黒人の女性ジャズシンガーのエラ・フィッツジェラルドの1957年の曲のカバーです。

 この曲を初めてリリースしたのは、黒人のジャズマン、アンディ・カークで1936年の曲です。

 ヴァネッサ・ウィリアムスは北部のニューヨーク州産まれです。

 音源は1991年にヴァネッサ・ウィリアムスがアンディ・カークの1936年の曲をカバーしたバージョンです。


ヴァネッサ・ウィリアムス

 次は、元ラッパーのクィーン・ラティファが歌ったジャズです。

 クイーン・ラティファはラッパーで売れなかったからジャズ・シンガーになった訳ではありません。

 1980年代後半から1990年前半まで、女性ラッパーのトップと言えば、このクイーン・ラティファだったという程に、有名なラッパーです。

 クイーン・ラティファはジャズだけでなく、ゴスペルやR&Bを歌っても超一流です。

 この曲は黒人の女性ジャズシンガーのビリー・ホリデイの1947年の曲のカバーです。

 クイーン・ラティファは北部のニュージャージー州ニューアーク産まれです。

 音源は2007年にクイーン・ラティファがビリー・ホリデイの1947年の曲をカバーしたバージョンです。


クイーン・ラティファ



 次は、ダンス・ミュージック色の強かったR&Bシンガーのシャンテ・ムーアが歌ったボサノヴァです。

 ボサノヴァはブラジルの音楽ですが、サンバとジャズを融合して出来た音楽ですので、ジャズの一種です。

 シャンテ・ムーアはカリフォルニア州サンフランシスコ生まれです。

 音源は2008の曲です。


ボサノヴァを歌うシャンテ・ムーア

 シャンテ・ムーアが、同じアルバムでジャズ・スタンダードを歌った音源です。

 原曲は1957年の黒人の女性ジャズシンガー、カーメン・マクレエの曲です。

 音源は2008年にシャンテ・ムーアが1957年のカーメン・マクレエの曲をカバーしたバージョンです。


ジャズを歌うシャンテ・ムーア

 最後は、ホイットニー・ヒューストンです。

 年代順に紹介をしてきましたが、この曲はクリスマス曲なのでラストにもってきました。

 この曲は黒人の男性ジャズシンガーのナット・キング・コールが1946年にリリースし、ヒットした曲です。

 今でもクリスマス曲のスタンダードの一曲です。

 ホイットニー・ヒューストンは北部のニュージャージー州ニューアーク産まれです。

 音源は2003年にホイットニー・ヒューストンが、1946年のナット・キング・コールの曲をカバーしたバージョンです。この曲に限っては、ジャズ歌唱と言うよりは、R&B歌唱でジャズの曲をカバーしたという感じです。


ホイットニー・ヒューストン

 特に女性シンガーを選んだ訳ではないのですが、現代のR&Bシンガーでジャズを歌うのは女性シンガーが多いとは言えます。

ブラックミュージック研究所

ブラックミュージック研究家のNaoya Moroが運営する、主にブラックミュージックの歴史を研究するサイト。 黒人霊歌から、ブルース、ジャズ、ゴスペル、サザン・ソウル、ノーザン・ソウル、ファンク、 ニュー・ソウル、ディスコ、ヒップホップ、ニュージャックスウィング、ヒップホップ・ソウル、 ネオ・ソウル、クランク、クランク&B、トラップ、オルタナティブR&Bに至るまで 研究をしています。

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